原草を全部2階の倉庫に積み終わる頃、ようやく夜が明けてきました。しかしまだ作業は続きます。今度は昨日刈り取って泥染めしてある藺草を、先ほどの空いた乾燥機に1束1束手渡しして丁寧に並べていきます。整然と並べないと、均一に乾燥がされません。乾燥機は吉住さんの奥さんの祖父が開発したもので、今では熊本のほとんどの農家に普及しているそうです。下から温風が上に向かって抜けていきます。 この藺草束は刈取機で結束されたもので、これが基準となります。生藺草は水分を含みずっしり重く柔らかいので、持つのが大変です。束ねてある紐を持っていては指がもちませんでした。しかし吉住さんにコツを教わり、根元の部分を鷲づかみにすると楽につかめることが分かりました。持ち方にも基本があるんです。 約850把を乾燥機に並べ終わる頃、午前6時を回っていました。これから再び16時間の乾燥が始まるわけです。その時の天候や気温・湿度を考慮しながら、乾燥機の温度を決めます。これで午前中の工場での作業は終了、これから少し早い朝食です。肉体労働、実にお腹が減ります。農家の朝食は朝から肉が並びます!ガソリンも補給するようです。朝食が済むといよいよ藺田での刈り取り作業が待っています。
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